ソレノイドバルブの仕組みを分かりやすく解説!基本原理から動作種類まで

ソレノイドバルブの仕組みサムネ画像

2023年11月30日

ソレノイドバルブは、電気信号を受け取って圧縮空気の流路を切り替える機構を持つ空気圧機器の一種です。方向制御バルブ、電磁弁、など色々な呼称で呼ばれることがあります。

空気圧システムでの制御を担う重要な機器であり、多種多様な用途で使用されています。ソレノイドバルブは、電気的に制御されるため、高度な自動化を実現することができます。本記事では、ソレノイドバルブの仕組みについて、基本原理から動作種類までを詳しく説明します。

また、本記事は「内部パイロット式」の「方向制御用」のソレノイドバルブに関する説明を記述してますので、「直動式」や「単純な開閉用途」のバルブの説明をお求めの方は対象外ですのでご承知置きください。

ソレノイドバルブの構成

ソレノイドバルブの部品構成は、主にソレノイド部、スプール部、ポート部に分けられます。それぞれがどのような役割を果たしているのか説明します。

ソレノイド部

ソレノイド部

ソレノイドは、電気信号により圧縮空気の流路を開閉させる役割をもち、ソレノイドバルブの流路を切り替えるきっかけとなる部品です。ソレノイド部には、コイルが巻きつけられた固定された鉄心と、可動する鉄心があります。

ソレノイド部の内部構造

コイルに通電することによって鉄心に磁力が発生し、可動鉄心が固定鉄心に引き寄せられます。可動鉄心は弁体と連結されており、磁力発生で固定鉄心に引き寄せられ動くことで弁体が開き、圧縮空気を二次側へ流すことができます。

ソレノイド部の仕組み働き

通電が切られると磁力はなくなり、スプリングの力で可動鉄心は元の位置に戻り、圧縮空気の流れが閉ざされます。このような電気を流すことにより磁力を発生させる構造体は電磁石と呼ばれます。

スプール部

スプール部

スプールはソレノイドバルブ内部にある軸で、圧縮空気の流れ方向を切り替えるための役割を持ちます。スプールには部屋を隔てるパッキンが備わっており、スプールの位置によって、圧縮空気の流れ方向を変えることができます。

2位置ダブルのパターン

このようにスプール位置によってパッキンが隔てる箇所も変わるため、圧縮空気の流路を切り替えることができるのです。

ポート部

ポート部

ポートとは空気を流すための穴であり、方向制御用のソレノイドバルブでは、3ポートタイプ、4ポートタイプ、5ポートタイプなどタイプによりポートの数が異なります。スプールの位置によりどのポートとどのポートが導通するのかが変わり、空気の流れ方向が切り替えられます。

ソレノイドバルブの動作原理

前項で各部分の働きについて説明しましたが、これらの働きによりどのようにソレノイドバルブとしての役割を果たすのか、その基本的な動作原理について解説します。

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例として5ポートタイプで説明します

まず初期状態は、加圧用のポート(Pポート)から圧縮空気を入力し、Bポートへ流れていきます。Aポートは排気ポート(R1ポート)と繋がっています。

ソレノイドバルブの初期状態

では、ソレノイド部から出ているリード線に電圧を印加します。そうすると内部の鉄心に電磁力が発生しソレノイド部の弁体が開きます。

通電して弁体が開く

すると加圧用ポート(Pポート)からパイロット流路に分岐されて流れてくる圧縮空気がソレノイド部からスプール部に流れていきます。

パイロットエアがスプール部に流れ込む

スプールに圧縮空気の力が加わることにより、スプールの位置が動き、メイン流路の流れ方向が切り替わります。

スプール位置が変わり流路が切り替わる

このようにして、ソレノイド部への通電によりソレノイド部の弁体を開き、スプール位置を動かすことによって、ソレノイドバルブは圧縮空気の流路の方向を切り替えているのです。

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素朴な疑問ですが…スプール自体を電磁力で動かしちゃダメなんですか?
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タクミ

ダメじゃないけど、小型化と省電力化のためパイロット式が一般的ですよ

上記の動作原理は「パイロット式」といい、ソレノイド部の弁体を開けて圧縮空気の力でスプール位置を切り替えていますが、可動鉄心とスプールを一体化させて電磁力で直接スプール位置を動かす「直動式」も存在します。

しかし、スプールを動かすとなると大きな電磁力が必要となり、ソレノイド部を大きくする必要があることと、消費電力が大きくなるデメリットがあります。そのため、このような方向制御用のソレノイドバルブはパイロット式が採用されることが一般的です。

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詳細は以下記事よりご確認ください。

ソレノイドバルブの動作種類

ソレノイドバルブには、2位置シングルソレノイド、2位置ダブルソレノイド、3位置クローズドセンタ、3位置エキゾーストセンタ、3位置プレッシャセンタがあります。それぞれの種類と動作について、以下に説明します。

2位置シングルソレノイド

2位置シングルソレノイドは、圧縮空気がPポートからBポートに流れる状態と、PポートからAポートに流れる状態の2ポジションがあり、ソレノイドの数が一つのソレノイドバルブです。ソレノイドに通電することでポジション(スプール位置)が切り替わり、通電を切ることでポジションが戻ります。

2位置ダブルソレノイド

2位置ダブルソレノイドは、圧縮空気がPポートからBポートに流れる状態と、PポートからAポートに流れる状態の2ポジションがあり、ソレノイドの数が二つのソレノイドバルブです。片側のソレノイドに通電することでポジションが切り替わり、もう片方のソレノイドに通電することでポジションが戻ります。

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2位置シングルソレノイドとダブルソレノイドについては以下記事で詳しく説明しています

3位置クローズドセンタ

3位置クローズドセンタは、ソレノイド通電時はダブルソレノイドと同じ動きをし、非通電時はバルブが閉じた状態を保ちます。合わせて三つのポジションを有しています。

3位置エキゾーストセンタ

3位置エキゾーストセンタは、ソレノイド通電時はダブルソレノイドと同じ動きをし、非通電時はA,Bポートがどちらも排気ポートと繋がった状態になります。合わせて三つのポジションを有しています。

3位置プレッシャセンタ

3位置プレッシャセンタは、ソレノイド通電時はダブルソレノイドと同じ動きをし、非通電時はA,BポートがどちらもPポートと繋がった状態になります。合わせて三つのポジションを有しています。

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3位置タイプの3種については以下記事で詳しく説明しています

まとめ

本記事では、方向制御用ソレノイドバルブの基本的な仕組みや動作原理を分かりやすく解説しました。ソレノイドバルブは、圧縮空気の流れを電気信号によって制御する空気圧機器であり、様々な用途で幅広く活用されています。

主要な構成要素であるソレノイド部、スプール部、ポート部がそれぞれ特定の役割を担い、圧縮空気の流れを切り替えることが可能です。さらに、ソレノイドバルブにはいくつかの動作種類があり、システムに応じて最適なタイプを選択することができます。これらの知識をもとに、ソレノイドバルブの理解をより深めていきましょう。