空気圧タンクの役割と選び方を知ろう!省エネ&作業効率アップに貢献

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2023年5月28日

空気圧タンクは、圧縮空気を貯めるための容器で、空気圧機器システムでは意外と重要な役割を持っています。空気圧タンクは、圧力の安定化や消費電力の削減、コンプレッサの寿命延長に役立つためです。

これらの効果により、省エネと作業効率が向上します。本記事では、空気圧タンクの役割と選び方について詳しく解説します。

空気圧タンクの役割

空気圧タンクは空気圧機器の中でも一見シンプルなものですが、様々な役割を持った重要な機器です。以下に空気圧機器の役割について説明します。

圧力の安定化

空気圧タンクは、コンプレッサから供給される圧縮空気の圧力を安定させる役割があります。コンプレッサは一定の間隔で空気を圧縮するため、そのまま使用すると圧力が不安定になります。空気圧タンクを利用することで、圧力が安定し、空気圧機器の安定稼働が可能になります。

コンプレッサのサイズダウン

空気圧タンクを設けることでコンプレッサのサイズを下げることができます。コンプレッサの吐出し空気量が必要空気量に満たなくても、空気圧タンクに圧縮空気を貯めておくことで問題なく運用することが可能になります。コンプレッサのサイズダウンによりコストやスペース削減につながります。

消費電力の削減

空気圧タンクで圧縮空気を蓄えておくことで、コンプレッサの運転時間が短縮され、消費電力が削減されます。これにより、運転コストの節約につながります。

コンプレッサの寿命延長

コンプレッサの運転時間が短縮されることで、負荷が減少し、寿命が延びる効果があります。長期的にみると、機器の交換や修理にかかるコストを削減することができます。

作業効率の向上

圧力の安定化と消費電力の削減により、空気圧機器の性能が安定します。これによって作業効率が向上し、生産性の向上や作業時間の短縮が期待できます。

空気圧タンクの選び方

空気圧機器を選ぶ際には以下の点を検討する必要があります。

タンク容量の選択

空気圧タンクの容量は、使用する空気圧機器の性能や使用頻度に応じて選びます。容量が大きいほど、圧力の安定化や消費電力の削減が効果的ですが、設置スペースやコストも考慮する必要があります。

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必要なタンク容量の計算方法は後ほどの項目で説明します。

最大使用圧力の確認

空気圧タンクを選ぶ際には、タンクが許容できる最大圧力を確認する必要があります。実際に使用する圧力がタンクの許容圧力を超えると、タンクが破損する恐れがありますので、十分な余裕を持った許容圧力のタンクを選ぶことが望ましいです。

タンク材質の選択

空気圧タンクの材質には、主に鋼製とステンレス製があります。鋼製タンクは耐久性があり、コストも抑えられるため一般的ですが、サビや腐食に弱い点が欠点です。一方、ステンレス製タンクは耐食性が高く、長寿命ですが、価格が高めです。

タンクの取付と設置スペース

空気圧タンクが設置したいスペースに入るかどうか、取付けられるかどうかを検討した上で選定するようにしましょう。スペースに入らないからといって実際に使用する箇所から大きく離れた位置に設置すると配管の圧力損失の懸念が発生します。できる限り近い箇所で取り付けられるものを探すことも重要です。

付属機能とオプション

空気圧タンクには、さまざまな付属機能やオプションがあります。例えば、圧力計や安全弁、ドレンバルブなどが付いていることがあります。また、タンク内の空気品質を向上させるための乾燥機やフィルターも選択肢に含めることができます。

必要なタンク容量の計算方法

空気圧タンクの期待通りの効果を出すためには容量を適切に選ぶことが必要です。ここでは、タンク容量の計算方法をご紹介します。

タンク容量の計算式

空気圧タンクの容量は、以下の計算式を使用して導くことができます。

 V = (Q1-Q2) × t(P1-P2) × 10

 V  タンク容量(L)
 P1 空気タンク圧力(MPa)
 P2 必要使用圧力(MPa)
 Q1 必要使用空気量(L/min)
 Q2 コンプレッサ吐出し空気量(L/min)
 t  使用時間(min)

実際の計算例

例えば、必要圧力0.5MPa、必要空気量80 L/min、使用時間5分で圧縮空気を消費するケースで考えてみます。コンプレッサは圧力0.7MPa、吐出し空気量が50L/minの能力のものを使用します。するとタンク容量は以下のように計算できます。

 (80 – 50) × 5 / (0.7 – 0.5) ×10 = 75

よってタンクは容量が 75 L以上のものを選ぶことが適切ということになります。このように、必要空気量80L/minに対しコンプレッサの能力が足りてないのですが、間欠作動であればタンクを設けることで運用が可能になります。

補足

必要なタンク容量を計算する際の注意事項です。計算結果はあくまで目安であり、実際の使用状況に応じて適切な容量が変わることがあります。余裕を持った容量を選ぶことが望ましいです。

空気圧タンク使用時の注意点

空気圧タンクの使用時には注意すべきポイントがあります。以下の点を確認するようにしましょう。

タンク内の空気品質管理

タンク内の空気品質は、空気圧機器の性能や寿命に大きく影響します。タンク内には水分や油分、微粒子などが混入することがありますので、適切な乾燥機やフィルターを使用して空気品質を管理することが重要です。

定期的な点検・メンテナンス

空気圧タンクは、定期的な点検やメンテナンスが必要です。特に、タンク内の腐食やサビ、破損の有無を確認し、必要に応じて修理や交換を行うことで、タンクの性能を維持し、安全に使用することができます。

まとめ

空気圧タンクは適切な選定とメンテナンスを行うことで、以下の効果が期待できます。

  • 圧力の安定化
  • コンプレッサのサイズダウン
  • 消費電力の削減
  • 圧縮機の寿命延長
  • 作業効率の向上

これらの効果により、空気圧システムの省エネ&作業効率アップを実現し、生産性向上やコスト削減に貢献できます。

また、空気圧タンクを選ぶ際には、以下のポイントを再確認しましょう。

  • タンク容量の選択
  • タンク材質の選択
  • タンク形状と設置スペース
  • 付属機能とオプション
  • 定格圧力と作業圧力の確認

これらのポイントを踏まえて、自分の用途に適した空気圧タンクを選ぶことで、省エネ&作業効率アップが実現できます。空気圧タンクの役割と選び方を理解し、最適なタンクを選ぶことで、より効果的に空気圧機器を活用しましょう。