レギュレータのリリーフ機構とは?ノンリリーフとの違いも解説

レギュレータは圧縮空気の圧力を減圧して調整するための機器です。メーカーのカタログには「リリーフ機構」という記載が入っており、機種によっては「リリーフ機構」と「ノンリリーフタイプ」とを選択できるものもあります。

という方のために、本記事ではレギュレータのリリーフ機構について説明をしていきます。
リリーフ機構は2次側圧力が高くなった時のための機能
レギュレータは冒頭に説明の通り、コンプレッサから流入してくる圧縮空気の圧力を減圧し、任意の圧力に調整してOUT側へ流すための機器です。例えば、0.3MPaの圧縮空気が必要でコンプレッサからの吐出エアが0.7MPaの場合、レギュレータを入れて調整することで0.3MPaの圧縮空気にすることができます。しかし、OUT側の圧縮空気で容積変動があり、圧力が設定値より上がってしまうことがあります。
このような際にレギュレータのリリーフ機構が働きます。例えば、レギュレータで0.3MPaに調整した後に、OUT側で圧力が0.4MPaに上がってしまった場合、OUT側の圧力をリリーフ機構から大気に逃がすことによって、設定値の0.3MPaまで下げることができます。

リリーフ機構の設置個所
リリーフ機構は大抵の場合、調整ノブの近くに設置されていることがほとんどです。

タクミ
リリーフ穴は継手が付けられるようにタップが切られているタイプもあります。クリーンルームなどでは、圧縮空気を排気すると室内を汚してしまうため、リリーフ機構の継手からエアチューブを伸ばし、クリーンルーム外に排気させることができるようになります。
リリーフ機能の動作説明
それでは、どのようにしてリリーフ機能が働くのかを説明します。まず通常動作として、レギュレータでIN側の圧力を設定圧力に減圧します。
二次側の圧力が設定圧以上に上昇すると、レギュレータ内部の圧力も上昇します。
すると、上昇した圧力によりダイヤフラムが押し上げられ、リリーフ機構につながる弁が開き、リリーフ機構から大気に圧力が放出されます。
レギュレータ内の圧力が設定圧まで下がると弁は閉じます。このようにリリーフ機構からの排気により二次側の圧力を下げ、設定圧を保つことができるのです。
ノンリリーフタイプとは
クリーンルームでレギュレータを使用する場合は、リリーフ機構から圧縮空気が排気されるとクリーンルーム内を汚してしまうため、ノンリリーフタイプが選ばれることがあります。その名の通りリリーフ機構がありません。そのため、OUT側の圧力が設定値より高くなってしまった場合も、圧を逃がすことはできず、圧力は高いままとなってしまうので注意が必要です。
まとめ
レギュレータのリリーフ機構についての説明でした。本記事のまとめです。
- リリーフ機構はOUT側の圧力が高くなってしまった場合に、設定圧力になるまで圧を逃がすための穴
- ノンリリーフタイプは圧縮空気を大気に排気したくない時のためのオプション