エアフィルタとミストセパレータ(オイルミストフィルタ)の違いとは?
エアを清浄化するための機器としてエアフィルタの設置は最低限必要ですが、プラスしてミストセパレータを設置するケースがあります。
しかしそれぞれどのような時に必要でどのような時に不要となるのか、そもそもこれらの違いは何なのか、イマイチわからない方も多いのではないでしょうか?
本記事ではエアフィルタとミストセパレータの役割を述べ、どのような違いがあるのかを説明していきます。
エアフィルタとミストセパレータの役割の違い
エアフィルタとミストセパレータの役割は次のように違いがあります。
エアフィルタ | ゴミ・異物やドレンを除去 |
ミストセパレータ | 油分を除去 |
それぞれ詳しく説明します。
エアフィルタ
エアフィルタは2次側の機器の寿命を長くするため、ゴミ・異物やドレン(水分)を除去する役割があります。
エアフィルタの内部にはろ過度5μm(標準)のエレメントが設置されています。このエレメントにエアが通ることでゴミ・異物が除去できます。
工場のメインラインである程度エア質対策はしていても、装置に供給する際にはほとんどのケースでエアフィルタは設置されます。
ミストセパレータ
ミストセパレータは、エアフィルタでは取りきれない油分を除去する役割があります。2次側に油分が流れることを嫌うケースで設置します。
ろ過度0.01〜0.3μmと、エアフィルタよりも目の細かいエレメントが使用されています。
2次側に流量センサを使用していたり、食品や電子基盤へのエアブロー工程ではミストセパレータを設置するケースが多いです。
ミストセパレータを使うときエアフィルタは不要か?設置の順番は?
ミストセパレータはより目が細かいエレメントを使用しているため、あえてエアフィルタを使用しなくても良いのでは?と考える方がいらっしゃいます。
しかし、ミストセパレータを使用する場合でもエアフィルタの設置は必須です。
ミストセパレータのように目の細かいエレメントは、大きめのゴミが流入するとすぐに目詰まりを起こして交換が必要になってしまいます。
そのため、ミストセパレータの前に必ずエアフィルタを入れて大まかなゴミ・異物は取り除く必要があるのです。
各メーカーのエアフィルタとミストセパレータ紹介
空気圧機器の主要メーカーであるSMC、CKD、の2社のエアフィルタとミストセパレータの型番を紹介します。
機種 | SMC | CKD |
---|---|---|
エアフィルタ5μm | AF | F*000 |
ミストセパレータ0.3μm | AFM | M*000 Sタイプ |
ミストセパレータ0.01μm | AFD | M*000 Mタイプ |
ちなみにですがミストセパレータはCKDではオイルミストフィルタと呼ばれています。
まとめ
エアフィルタとミストセパレータはどちらもエア質を良くするための機器ですが、エレメントの目の細かさに違いがあります。
エアフィルタは必ず設置し、ミストセパレータは特に油分を嫌うケースで使用されます。
ミストセパレータが必要なケース、不要なケースを認識し、状況に応じて使い分けるようにしましょう。