エアの圧力センサと流量センサの違いとは?
空気圧機器のセンサには、圧力センサと流量センサが存在します。名前の通りエアの圧力を測定するのが圧力センサ、流量を測定するのが流量センサです。
しかし、場面ごとにどのようにして圧力センサと流量センサを使い分けるのか、悩まれるケースも多いでしょう。
本記事では、圧力センサと流量センサの違いを明確にし、使い分け方を習得できるように説明していきます。
圧力センサと流量センサの機能について
エア用の圧力センサと流量センサの機能面についてそれぞれ説明します。
圧力センサ
エアの圧力を測定するのが圧力センサです。単位はMPa(メガパスカル)やkPa(キロパスカル)などが使われます。
SMCやCKDの汎用的なタイプでは真空圧-100kPa〜正圧1Mpaの幅で計測でき、最小0.1kPa単位で表示ができます。
配管方法についてですが、圧力センサのポートは1つのみ。そのため設置は配管を分岐させて行います。
圧力センサには、圧力を測定・表示するだけでなく、設定値を超えるor下回ると電気信号を出力するスイッチ機能も備わっています。
各メーカーの代表型番は、SMC製ではZSE/ISEシリーズ、CKD製ではPPXシリーズが該当します。
流量センサ
エアの流量を測定するのが流量センサです。単位はL/min(リットル毎分)などで表されます。
SMCやCKDのラインナップでは、測定レンジは小流量なら0.01L/min〜、大流量は〜16,000L/minに対応しています。
配管はINとOUTの2ポートが設けられており、インラインで設置するようになっています。
流量の測定・表示だけでなく、設定値を超えるor下回ると出力するスイッチ機能や、積算流量を測定する機能も備わっています。
各メーカーの代表型番は、SMC製ではPF2M7、PFM、PF3A7シリーズ、CKD製ではFSM3やPFDシリーズが該当します。
圧力センサと流量センサの価格帯イメージ
圧力センサと流量センサとでは、比べると圧倒的に圧力センサの方が安いです。圧力センサは大体5,000円〜、流量センサは20,000円〜のイメージです。
どちらを使っても良いような場面では、コスト面を重視して圧力センサを使用するようにしましょう。
圧力センサと流量センサの使い分け方
圧力センサと流量センサを使用するケースをそれぞれ紹介します。前述の通り、どちらでも用途を満たす場合はコストが安い圧力センサを使いましょう。
圧力センサ
圧力センサは主に「しっかりとエアが供給されているどうかの確認」のために使用されます。
FRLの直後もしくはレギュレータに組み込み、元圧がきているかどうかを判別し、下限値を設定し下回ったらエラー信号を出力することができます。
コンプレッサーに使用される場合は、タンク内の圧力を監視し、設定圧に達したら増圧用のポンプを止め、圧力が上がりすぎないように制御するために使われます。
また、吸着パッドでワークを吸着する工程では、しっかり吸着したかどうかの確認で圧力センサが使用されます。真空圧力を増減により吸着・非吸着を判別することが可能です。
流量センサ
流量センサが主に使用されるのはエアを吹き付ける工程での流量管理とノズルの目詰まり検知です。
エアブロー工程では大量のエアを消費するため流量管理が必要なケースが多く、特に窒素やアルゴンなどコストの高い気体を扱う場合はよく流量センサが設置されます。
ノズルが目詰まりして吹き付けエアの量が減少した場合にそれを検知することが可能です。圧力センサでは目詰まりしても圧は入ったままなので検知できません。
ワーク吸着工程でも数グラムの小型ワーク吸着の場合、ノズル径が小さく圧力センサで吸着確認ができないことがあります。その場合は流量センサが使われます。
また、リークテスト工程でも流量で漏れを検知し使用することが可能です。
まとめ
圧力センサと流量センサ、装置に使われるケースは多く、その機能や役割については最低限知っておきたいところです。
コストの感覚も把握しておき、適材適所でうまく使い分けができるように認識を深めておきましょう。