残圧排気弁って何?使い方や用途を詳しく解説
空気圧を使用した装置の安全対策には欠かせないアイテム、それが残圧排気弁です。安全意識の高い工場では必ず設置されていますし、海外では設置を義務付けられている国もあります。
残圧排気弁は、他にも残圧抜きバルブとか残圧抜き3ポート弁などとも呼ばれますが、これらは同じものを指しています。
残圧排気弁とは一体どのようなものなのか。本記事では残圧排気弁の用途・仕組み・使い方などについて説明していきます。
残圧排気弁の用途
残圧とは圧力供給を断った後に、機器や回路内に残る圧力のことです。残圧があるとメンテナンスの際などに思わぬタイミングで機器が動いてしまったりするため、残圧は安全上の観点で好ましくありません。
そのため圧力供給を断った後には残圧を抜く作業が必要となります。残圧排気弁は、安全を確保するために機器や回路内の残圧を抜くために必要な機器です。
残圧排気弁の仕組み・使い方
残圧排気弁とは、言ってしまえば手動式の3ポートバルブです。手動でノブをひねることで、エア供給時(IN→OUT)と残圧排気(OUT→大気開放)を切り替えることができます。
誤ったタイミングでノブを回してエアを給気してしまうと、シリンダなどのエア機器が動作し事故につながる可能性があります。このような誤動作を防ぐ対策品があるので覚えておきましょう。
ノブを誤って回さないように、エア供給に切り替える際は、ノブを押し込んでから回す2STEPタイプがあります。押し込む作業が必要なため意図せずノブを回してしまうリスクを減らすことができます。
また、カギ穴付き残圧排気弁というものもあり、南京錠が設置できる穴が設けられています。カギをかけておくことで作業者が誤って操作して事故につながることのないように対策ができます。
残圧排気弁の取付位置
残圧排気弁は装置エア回路の入口付近、FRLユニットの前後に設置するのがセオリーです。装置に1つ設置し、装置全体の残圧を抜けるようにします。
センタークローズの電磁弁でエアシリンダを中間停止させている場合、装置の入口で残圧排気しても、電磁弁とエアシリンダ間の残圧は抜くことができません。
この残圧を抜きたい場合は、電磁弁の機種によってはスペーサ型の残圧排気弁が付けられるものがあるので活用しましょう。
残圧排気を自動化したい場合
残圧排気を装置の電源が切れたら自動で行いたい、このような時はシングルソレノイドの3ポート電磁弁を設置しましょう。
装置稼働時は常時通電状態にしてエアをINからOUTに供給し続け、電源が切れた時はエアをOUTから大気に開放して残圧を排気します。
装置に必要なエアを供給しなければならないため、3ポート電磁弁の流量特性は大きいものを選びましょう。また、連続通電できるかどうかも注意が必要です。
SMCとCKDの残圧排気弁を紹介
残圧排気弁は、SMCはVHSシリーズやVHKシリーズ、CKDはV3000シリーズや3QVシリーズが該当します。SMCのVHSやCKDのV3000は、FRLと専用ブラケットで連結することも可能です。
まとめ
残圧排気弁は、なくても装置稼働には特に影響ありません。しかし、装置を止めた後の安全性を確保するためには必要なものです。メンテナンスも考慮して設置はするようにしましょう。
実際に機器を触って使い方も含めてマスターしたい方にはトレキットがおすすめ。もちろん残圧排気弁も組み込んであります。