ロータリージョイントを真空で使う場合はエア漏れの少ないものを選ぶべし
回転テーブル上の配管のねじれを解消するために役立つロータリージョイント。しかし、真空エアを使用する場合にはその選び方を気をつける必要があります。間違えると真空吸着などの用途で十分に能力を発揮できずに使えない、ということにもなりかねません。
本記事ではロータリジョイントを真空で使用する場合の選び方、考え方について説明していきます。ロータリージョイント自体の説明については以下記事をご参考ください。
ロータリージョイントはそもそもエア漏れが起きやすい製品である
ロータリージョイントはその構造上、シールが難しい製品です。回転速度が速い場合はシール部分の摺動抵抗を減らす必要があり、そうするとエア漏れ量はどうしても多くなってしまいます。
逆にエア漏れを嫌うばかりにシール性を重視すると、摺動抵抗が大きくなり回転速度を速くすることができなくなります。無理に早く回すとシール材が摩耗し結局エア漏れを引き起こしてしまうので注意が必要です。
エア漏れは真空使用時の悪影響が大きいので注意が必要
ロータリージョイントで真空を使用する場合、エア漏れは致命的になりえます。例えば真空吸着用途で使用する時、ロータリージョイント内の真空回路の隣に正圧回路があったとします。
この回路間でエア漏れがあった場合、正圧エアが真空エアに流れ込み、真空圧を大きく低下させてしまいます。すると吸着したワークを落下させるなど、装置運用する上で好ましくない事象を発生することになります。
ロータリージョイントを真空で使うなら弾性体(ゴム)シールタイプが良し
では真空でロータリージョイントを使用する場合、どのようなものを選ぶべきか。答えはエア漏れが少ない弾性体(ゴム)シールのタイプを選ぶのがベストです。
ロータリージョイントはメタルシールと弾性体シールにタイプが分かれますが、メタルシールは摺動抵抗が少なく高速回転に向き、摩耗しないため高寿命である特長がある反面、エア漏れ量は多く真空用途には向きません。
対して弾性体シールはメタルシールに対しエア漏れが少なく、真空用途に向いていると言えます。弾性体シールの中でも、よりエア漏れを少なくしたものから、摺動抵抗を少なくしバランスを重視したものなどありますので、何を重要視するかで適したものを選ぶようにしましょう。
まとめ
以上、真空用途でのロータリージョイントの選び方でした。真空用途ではエア漏れが多いと、真空吸着不良が起こり得るなど悪影響が大きいため、エア漏れの少ない弾性体シールのロータリージョイントを選ぶのがベスト。
エア漏れが少なく、尚且つ低摺動性を兼ね備えたロータリージョイントは匠SELECT-SHOPで紹介しています。
メタルシールのロータリージョイントは、高速回転時や高寿命が求められる場面では能力を発揮しますが、真空用途ではリスクがあるため極力避けるのが無難です。