エアチューブの選び方:種類と特徴を理解して正しい選択を

エアチューブの選び方

2023年11月30日

エアチューブは、空気圧機器において機器と機器を繋ぎ、圧縮空気を伝達するためのものです。エアチューブなくして圧縮空気を各機器へ供給することはできないため、空気圧機器を使用するためには必須のアイテムです。

エアチューブの選び方は、使用環境や目的に応じて異なります。そのため、エアチューブの特性や種類を理解し、適切な選択ができることが重要です。本記事では、エアチューブの基本知識を解説し、種類や特徴を理解して正しい選択ができるようになることを目指します。

エアチューブの主な材質と特徴

エアチューブにはさまざまな材質があり、それぞれに特徴があります。以下に主な素材を紹介します。

ポリウレタン

ポリウレタンチューブは、耐摩耗性と耐油性に優れており、一般的な空気圧機器で広く使用されています。また、軽量で柔軟性があり、曲げや折れに強いため、取り回しが容易です。さらに、耐久性が高く、一定の耐熱性も持っています。ただし、強い紫外線やオゾンには弱いため、屋外での使用には注意が必要です。

ナイロン

ナイロンチューブは、高い耐圧性、耐熱性、耐化学薬品性を持ち、硬質で引き裂けにくい特徴があり、耐久性にも優れています。ただし、柔軟性に劣るため、取り回しが難しい場合があります。また、水分を吸収しやすく、湿度の変化による寸法変化に注意が必要です。

フッ素樹脂

フッ素樹脂チューブは、耐薬品性、耐熱性、耐候性に優れています。また、摩擦係数が低く、粘着性も少ないため、清潔で滑らかな表面が保たれます。これらの特性から、特に薬品や溶剤が使用される環境や高温環境、クリーン度が求められる環境などでの使用に適しています。硬度は高く取り回しが難しいのがデメリットです。

ポリオレフィン

ポリオレフィンチューブは、軽量で柔軟性に優れ、耐油性や耐摩耗性も持っています。また、耐熱性や耐候性もあるため、屋外での使用や高温環境でも安定して使用できます。さらに、環境への影響が少ないため、環境負荷を抑えたい場合に適しています。

難燃性樹脂

難燃性樹脂製のエアチューブは、炎の熱による溶解や燃焼を抑制する特性があります。これにより、スパッタ工程などで火の粉が舞うような環境での使用に適しています。また、耐熱性や耐化学薬品性もあるため、さまざまな環境での使用が可能です。

帯電防止

帯電防止エアチューブは、静電気の発生を抑制し、静電気によるトラブルを防ぐために設計されています。これにより、静電気による粉塵の付着防止や、防爆環境での安全性を保つことに役立ちます。また、帯電防止機能が付加された各種材質のエアチューブもあります。電子部品の組み立てや塗装工程など、静電気に敏感な環境での使用に適しています。

シリコン

シリコンは非常に柔軟性が高く、耐熱性や耐寒性にも優れています。また、シリコンは無毒で食品衛生法に適合しているため、食品工業や医療業界での使用に適しています。ただし、シリコンは耐摩耗性や耐圧性に劣るため、高圧の空気や真空、機械的な摩耗にさらされる環境には不向きです。

エアチューブの形状種類と特徴

標準タイプ

標準タイプのエアチューブは、長さが一定のまま伸び縮みしないタイプで、一般的な用途で広く使用されます。

スパイラルタイプ

スパイラルチューブ

スパイラルタイプのエアチューブは、コイル状に巻かれており、伸縮性があります。作業範囲が変化する場合やスペースが限られている状況での使用に適しています。

多重タイプ

多重タイプのチューブ

2本以上のエアチューブが溶着でくっついているタイプです。複数のエアチューブを同じように取り回す場合に便利です。また、色をそれぞれ変えることで回路の識別がしやすくなります。

エアチューブの選び方

素材の選択

エアチューブを選ぶ際、使用環境や耐久性、作業性を考慮して素材を選ぶことが重要です。例えば、高温環境で使用する場合は耐熱性に優れたフッ素樹脂が適しています。

内径・外径・長さの選択

圧縮空気の流量や圧力に応じて適切なサイズを選ぶことが大切です。内径が小さいと流量が制限され、圧力損失が大きくなることがあります。また、外径が大きすぎると設置スペースに問題が生じることがあります。長さも用途や設置環境に合わせて選びましょう。

最小曲げ半径の確認

エアチューブの最小曲げ半径は、チューブを曲げた際に折れや破損しない限界の曲率を指します。最小曲げ半径を確認し、設置環境や用途に合わせて適切な柔軟性を持つチューブを選ぶことが重要です。最小曲げ半径が小さいチューブほど、より狭いスペースや複雑な経路に対応できます。

使用圧力範囲の確認

エアチューブは、素材や外径によって使用できる圧力範囲が異なります。もし適切な圧力範囲でないエアチューブを使用してしまうと、チューブが破裂したり、接続部分から漏れが発生する可能性があります。選択するエアチューブが設備の使用圧力範囲に適合しているか確認してください。

タイプの選択

用途や設置環境に合わせてエアチューブのタイプを選ぶことが重要です。例えば、作業範囲が変化する場合やスペースが限られている状況では、スパイラルタイプが適しています。

まとめ

本記事では、エアチューブの基本知識、主な材質と特徴、形状種類と特徴、そして選び方について解説しました。適切なエアチューブを選ぶためには、使用環境や目的に応じて素材、形状、サイズを慎重に検討することが重要です。この記事を参考に、エアチューブ選びのポイントを押さえ、正しい選択ができるようになることを目指してください。