エアフィルタ交換のタイミングっていつ?正しい交換時期を解説

フィルタエレメントの交換時期サムネ

2023年11月30日

空気圧機器の正常な動作を維持するためには、エアフィルタの適切な交換が欠かせません。しかし具体的にどのようなタイミングで交換すべきか疑問を持たれている方も多いのが実情です。

そこで本記事では、空気圧機器に使用されるエアフィルタについて、その役割や交換の必要性、交換時期の目安、交換方法について解説します。

エアフィルタとは?

空気圧機器に使用されるエアフィルタは、圧縮空気内の異物やドレンをろ過する役割を持ちます。ソレノイドバルブやエアシリンダなどの空気圧機器に異物やドレンが入ると故障を招くため、その前段にエアフィルタを設置することで異物・ドレンを取り除きます。

このようにエアフィルタは空気圧機器の寿命を延ばすために重要な役割を果たします。

エアフィルタ交換の必要性

エアフィルタは、長時間の使用によってエレメントが汚れたり目詰まりが生じます。

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タクミ

エレメントは、異物やドレンを除去するために内蔵されている部品です

目詰まりが進むと、圧縮空気の圧力損失が増加し、空気流量が低下します。さらに、汚れがひどくなると二次側のエア質が悪くなり、ソレノイドバルブやエアシリンダの寿命に悪影響を及ぼす可能性があります。

これらの問題を防ぐためには、定期的なエアフィルタの交換が必要です。ただし、使用環境や運転条件によって、汚れや目詰まりの進行度合いは異なるため、適切なタイミングで交換することが重要です。適切なタイミングは、定期的な点検やメンテナンスによって確認することができます。

適切なタイミングでのエアフィルタ交換により、機器の性能を維持し、故障のリスクを軽減することができます。エアフィルタの交換は簡単で、コストもさほど高くありません。したがって、定期的な点検、メンテナンスを心がけ、長期的に安全かつ効率的な運転を実現しましょう。

交換時期の目安

それではエアフィルタの適切な交換タイミングとはどのようにして見定めればよいのでしょうか?エアフィルタの交換時期は、メーカーや機種によって異なります。以下を目安としてご参考ください。

2年に一回、定期的に交換

SMCのAFシリーズの取説にて推奨されているエレメント交換タイミングです。エアフィルタは装置を稼働させる限り常に働いている状態です。時間の経過とともに徐々に目詰まりしていくため、定期的に交換することでタイミングを逃さずにメンテナンスすることができます。

しかし工場のエア質が悪いと短期間で目詰まりが生じてしまうこともあります。そのような時は次の圧力降下を目安にしてみましょう。

圧力降下が0.1MPa以上になったら交換

こちらもSMCのAFシリーズの取説にて推奨されている内容です。エアフィルタの出口圧力が、使用当初よりも0.1MPa以上下がってしまったタイミングでエレメントを交換してください。

出口圧力が下がるということは、エレメントが目詰まりしているということです。圧力降下を目安に交換するのは実用的にも合理的なタイミングと言えます。

視覚的なチェック方法

エアフィルタを使用開始した時期や、使用開始した時の出口圧力が分からない場合は、エレメントを目視して汚れ具合を確認してみましょう。エアフィルタは汚れてくると黒ずんだり、茶色がかった色になってきます。視覚的に汚れ具合が著しい場合は交換しましょう。

エアフィルタの交換方法

エアフィルタを交換する方法は、空気圧機器の種類によって異なりますが、一般的な交換方法を以下に示します。

1.ドレンボウルを外す

エアフィルタの下部にはドレンを溜めるボウルがあります。まずこのドレンボウルを外します。

2.エレメントを外す

するとエレメントが露出するので、手でエレメントを外します。

3.新しいエレメントを取り付ける

新品のエレメントを取り付けます。エレメントはエアフィルタのメーカーから購入してください。

4.ドレンボウルを組み付ける

新しいエアフィルタを取り付けたら、ドレンボウルを組み付けて完了です。

まとめ

空気圧機器のエアフィルタについて、役割や交換の必要性、交換時期の目安、交換方法などについて解説しました。エアフィルタは空気圧機器を正常に動作させるために欠かせない部品であり、装置の安定稼働のためにも定期的なメンテナンスが必要です。

交換時期はエアフィルタの汚れ具合や時間経過などによって異なりますが、定期的な点検と交換を行うことで、空気圧機器の故障やトラブルを予防することができます。

空気圧機器のエアフィルタは、まさに空気圧機器の命綱であり、重要な役割を担っています。正しい交換時期の把握や交換方法を理解し、正しく点検と交換を実施し、空気圧機器の長寿命化につなげましょう。