スピードコントローラ(スピコン)とレギュレータの違いとは?
空気圧機器のスピードコントローラ(スピコン)とレギュレータ、これらの役割を混同して認識されているケースは多く実際に誤って使用されていることもあります。
本記事では、スピコンとレギュレータの違いを明確にし、それぞれの役割をしっかり正しく認識できるよう説明していきます。
スピコンはエア流量を調整、レギュレータエア圧力を調整する機器
スピコンはエアの流量を調整するための機器であり、レギュレータはエア圧力を調整するための機器であるという明確な違いがあります。
エアシリンダに使用するケースで見ると、スピコンはエアシリンダの動作速度を調整するもので、レギュレータはエアシリンダの推力を調整させるものです。
しかし、この役割を逆に覚えてしまっている方や、どちらも同じ物だと認識されている方もよくおられます。
スピコンもレギュレータもエアを多くしたり少なくしたり強くしたり弱くしたりと、役割のイメージが被ってしまうのです。
確かに、たとえばレギュレータの調整でもエアの流量は変えられます。ですがそれでは本来の役割を果たせない可能性があるので、この違いはしっかりと押さえておきたいところです。
スピコンは流路の大きさを変えてエア流量を調整する
スピコンは調整ニードルと連結したツマミを回すことで、流路を狭めたり広げたりしてエア流量を調整する機器です。
流路が狭まればもちろん流れるエアの量は少なくなりますし、流路が広がれば流れるエアの量は多くなります。
エアシリンダに使用した場合、エア流量を少なくすればエアシリンダの速度を遅くすることができ、多くすれば速くするという動作速度の調整ができるのです。
しかし圧力を任意に可変させることはできません。あくまでもスピコンはエア流量を調整する機器ということを覚えておきましょう。
レギュレータはバネ力とつり合うレベルにエア圧力を調整する
レギュレータは調整ノブによって伸縮する調整バネの力とダイヤフラムが受けるエアの力がバランス状態になるところでエア圧力を調整する機器です。
調整ノブを締め込むとバネの力が強くなり、OUT側のエア圧力も上昇します。調整ノブを緩めるとバネの力が弱くなりOUT側のエア圧力は下降します。
圧力が変わるということは流量も変わるため、流量調整にレギュレータを使用してしまう方がおりますが、不都合が起こり得るので避けましょう。
例えばエアシリンダの速度を遅くするためにレギュレータで調整してしまうと、圧力が下がるためシリンダ推力も減少し、必要な力が出せなくなってしまう可能性があります。
レギュレータはあくまでもエア圧力を調整するものとして認識しましょう。
まとめ
以上のようにスピコンとレギュレータは明確な差がありますが、ツマミを回すことによりエアの特性を増減させるという意味では一致しているため混同しやすくなっています。
圧力と流量の関係など空気圧の基礎的な知識を持っていればこのようなミスはなくなります。機器を間違えなく使用できるよう、それぞれの役割をマスターしていきましょう。