ロータリージョイントの仕組み・使い方・取扱メーカーとそれぞれの特徴を紹介

ロータリージョイントとは

2023年11月30日

自動装置には回転テーブルの機構が設けられるケースが多々ありますが、そこで頭を悩ますのが配管の取り回しです。

回転テーブルの上にエアシリンダや吸着パッドを設置したい場合、当然エア配管が必要になりますが、テーブルが回転するとエア配管がねじれ絡まってしまいます。

そこで活躍するのがロータリージョイントです。本記事ではロータリージョイントの仕組みや構造、使い方と取扱メーカーについて紹介します。

Right Caption

タクミ

各メーカーの特徴も紹介するので選定の参考にしてください。

ロータリージョイントの仕組み・構造

ロータリージョイントは固定部と回転部に部品が分かれており、このそれぞれに同じ数のポート穴が開けられています。

ロータリジョイントの回転部と固定部

固定部と回転部のポートは一つずつペアになっており、内部で流路がつながっています。回転部を回転させても流路は常につながったままです。

ポートのペア

このため、インデックス回転テーブルにロータリージョイントの回転部を組み付けることで、配管が絡まることを防ぐことが可能になります。

ロータリージョイントで配管のねじれを防止

Left Caption

なるほど!固定部の配管は定位置を保てるから絡まりませんね。
Right Caption

タクミ

そうです。回転部の配管だけが回転テーブルに追従して動くのです。

ポート間にはシール機構を設け、エア漏れを防止しています。シール機構は回転の度に摺動し摩擦抵抗にもなるため、メーカーによって低摩擦を重視するか漏れ低減を重視するかで造りが異なります。

ロータリージョイントの使い方

固定部と回転部のペアになっているポートを確認して配管をします。エアを流す時は使用圧力範囲を確認して使用するようにしましょう。特に漏れの多い製品の場合は真空で使えない時もあるので注意してください。

また、許容回転速度もメーカーによって異なりますので、実際の回転速度に見合った仕様のロータリージョイントを選ぶ必要があります。

Right Caption

タクミ

その他取り付け時も注意が必要ですよ。

ロータリージョイントは固定部と回転部が分かれておりますので、芯ズレが起きないように取り付けなければなりません。

装置との連結部にカップリングを設けたり、アソビを設けたりなど、メーカーの取り扱い説明書に従って取り付けをするようにしてください。

ロータリージョイントの取扱メーカーと特徴

Left Caption

しかし、一体どのメーカーのものを選べば良いのか分かりません…。
Right Caption

タクミ

それぞれ特徴があるので使用箇所に応じて選ぶようにしましょう。

SMC製は高速回転用途向き

SMC製のMQRシリーズはメタルシール方式でのため、ある程度の漏れは許容する代わりに摩擦抵抗がほぼなく高速回転の用途に優れています。また、摩耗しないので寿命も長いのも特徴の一つです。

CKD製は低摩擦&漏れ少ない

CKD製のRJFシリーズはゴムシールですが、低摩擦と対漏れ性能を兼ね備えたような製品です。漏れにシビアな真空用途でも安心して使えるのも特徴です。

ピスコ製はシール製良く漏れ微小

ピスコ製のRBシリーズはゴムシールで特にシール性能が高く、漏れに対する信頼性の高い製品です。低速回転で漏れを気にする用途で役立ちます。

TAIYO製もメタルシール方式

TAIYO製のRJPシリーズはSMCと同様にメタルシール方式です。高寿命、トルクレスが売りの製品です。

コスメック製は油圧にも使える

コスメック製のJRシリーズはメタルではありませんが専用シールで低摩擦、高寿命の製品です。油圧にも使用できるのが特徴で、油圧とエアの混在使いも可能です。

Left Caption

結構特徴がハッキリしてるのですね。これが分かれば選べそう。
Right Caption

タクミ

また、匠SELECT-SHOPでは対漏れ性能と低摺動性を兼ね備えたロータリージョイントを紹介してますのでご参考ください。

まとめ

ロータリージョイントは回転テーブルなどの回転機構での配管に必要なアイテムです。メーカーごとにシール方式に特徴があるため、回転速度、寿命、漏れと何を重視するかによって選ぶ機種も変わってきます。

それぞれのメーカーの特徴を押さえておくと、いざという時に迷わず選ぶことができますので、ぜひ本記事をご参考ください。