3・5ポートソレノイドバルブ(電磁弁)が故障する原因とその対処法

2023年11月30日

3ポートや5ポートのソレノイドバルブが故障したら、新品と交換することがほとんどかと思います。単純に製品寿命で壊れているのならそれで問題ありません。

しかし、ソレノイドバルブが故障するには様々な原因があり、その原因を取り除かないとまた早期に故障をしてしまうかもしれません。

本記事では、ソレノイドバルブが故障する原因とその対処法について説明していきます。

スプールパッキンが摩耗している

ソレノイドバルブは内部のスプールを駆動させることによって、エア方向を切り替えています。

そのため、切り替えをするごとにスプールは摺動するため、スプールパッキンは徐々に摩耗してエア漏れを起こします。

エア漏れを起こすと必要な圧力を出力できなかったり、バルブを切り替えてないのに常にエアが排気されっぱなしになったりと不具合が出てしまいます。

【対処法】ソレノイドバルブを新品に交換&ドレン対策

ソレノイドバルブのスプールは部品をメーカーで販売されていないため、スプールパッキンが摩耗してしまったら製品ごと新品に交換する必要があります。

また、早期にパッキンが摩耗してしまっているなら配管内のドレン・水分発生を疑いましょう。

ドレン・水分がソレノイドバルブに入るとスプールに塗られたグリスが流されてしまい、摺動抵抗が増大してパッキンが摩耗しやすくなってしまいます。

ドライヤを設置するなどエア質を一度見直し、ソレノイドバルブを長持ちさせられるよう対策してみてください。

コイルが破損している

ソレノイドバルブに通電しても、エアが切り替わらなかったり、コイル部分のランプが光らない場合は、コイルが壊れている可能性があります。

もちろん経年で壊れる場合もありますが、過電圧や、コイル温度の上昇により早期故障に至っているのかもしれません。

コイルの温度上昇は周囲温度も影響しますし、長時間の連続通電でも生じる現象です。

【対処法】コイルの部品交換&低ワット仕様への変更を検討する

ソレノイドバルブはコイルが部品販売されていることが多いです。コイルが故障したら部品で購入して交換してください。

また、コイルの温度上昇は低ワット仕様のオプションを選ぶことである程度抑えることができます。

連続通電が必要だったりコイルの温度上昇につながる要因を取り払えない場合は、低ワットへの変更を検討してみましょう。

異物が噛み込んでいる

ソレノイドバルブへの通電を入り切りしてもエア方向が切り替わらなかったり、エアが漏れっぱなしになる場合は、バルブ内部に異物が噛み込んでいる可能性があります。

コイルのランプが問題なく点灯しているのに上記のような症状が発生した場合は疑いが強くなります。

フィルタの設置が不十分でエア質が悪かったりすると起き得る不具合です。また、継手のシール材が配管内を流れてソレノイドバルブに侵入してしまうケースもあります。

【対処法】エア清浄機器の設置orポートメッシュ仕様のオプション追加

異物は各ポートにエアブローをしたり、目視で確認できればピンセットなどで取り除いたり、それでもダメなら分解して取り除きましょう。

そもそも異物が流れてくるようなエア質ではソレノイドバルブに限らずその他機器にも不具合を及ぼしますので、エアフィルタなどのエア清浄機器はしっかり使用してください。

また、ソレノイドバルブの機種によっては異物対策としてエア供給ポートにメッシュが標準で付いているものや、オプションで追加できるものがあります。

シール材の侵入などのリスクを取り払いたい場合はメッシュ組み込みタイプのソレノイドバルブを選ぶようにしましょう。

まとめ

ソレノイドバルブが故障したと判断したら、まずはその原因を突き止めることが大事です。

その原因の内容に伴って復旧を実施し、また繰り返し不具合が発生しないように適切に対処をするようにしましょう。