電磁弁(ソレノイドバルブ)の各ポートの意味と使い分け

2023年11月30日

3・5ポートの電磁弁(ソレノイドバルブ)にはPポート、A,Bポート、Rポートがあり、その他にもPEポートというポートがある場合もあります。

当然ですが、各ポートごとにそれぞれ役割は異なり、継手やサイレンサなど組み付ける部品も異なります。

本記事では電磁弁の各ポートの意味と使い分けについて説明していきます。

Pポートとは

PポートのPはプレス(plessure)の略です。つまりエアを供給するポートのことです。

元圧から配管チューブでPポートに繋ぎ、エアを供給することになります。そのため、配管チューブを繋ぐための継手を組み付ける必要があります。

Aポート・Bポートとは

Aポート、Bポートとはどちらも電磁弁の2次側へ続くポートです。3ポート弁の場合はAポートのみ、5ポート弁の場合はどちらも存在します。

基本的な区分けとして、Aポートは電磁弁への通電がOFFの場合には遮断されており、ONになるとエアが通り、2次側のシリンダなどへエアが供給されます。

Bポートはその逆で、通電がOFFの時にはエアが2次側へ通り、ONになるとエアが遮断されます。

ABポートには継手を組み付けるのが基本ですが、たまにスピコンを組み付けるケースもあります。

Rポートとは

RポートのRはリリース(release)の略です。エアを大気に排気する役割のポートです。Eポートと呼ばれることもあります。

3ポート弁の場合、2次側のエアがAポートを通りRポートから排出されます。

5ポート弁の場合はR1・R2ポート(またはRA・RBポート)と2つに分けられますが、AポートからのエアはR1ポートから排気され、BポートからのエアはR2ポートから排気されます。

R1とR2を共通にして、4ポート弁(P,A,B,Rの4つ)と呼ばれる電磁弁も存在します。

Rポートには「プシュッ」というエアの排気音を小さくするためにサイレンサが組み付けられます。

PEポートとは

PEとは、パイロットエギゾースト(pilot exhaust)の略。PEポートはパイロット式の電磁弁に設けられます。

メーカーや機種によっては呼び方が異なり、PRポートと呼ばれる場合もありますが、PEポートと全く同じ役割を意味します。

パイロット式の電磁弁は、エアの力を補助的に利用して弁体(スプール)を切り替える方式ですが、この補助エアを排気するためのポートがPEポートです。

もしPEポートを塞いでしまった場合、スプールが十分に動かなくなり、動作不良につながる可能性があります。

そのためPEポートは絶対に塞がず、何もつけない、もしくはサイレンサを組みつけるようにしましょう。

Xポートとは

前述の通りパイロット式の電磁弁はエアの力を補助的に利用して弁体を切り替えています。その補助エアは標準的にはPポートから供給されます。(内部パイロット式)

しかし、補助エアをPポートから供給できない場合があります。真空を流したい場合や、エアをA,BポートからPポートに流したい場合などが考えられます。

その時は補助エアを別ポートから供給する必要があります。そこで設けられるのがXポート。メーカーによってはPAポートとも呼ばれます。

このタイプの電磁弁を外部パイロット式と呼び、オプションで選択することができます。

まとめ

3・5ポート電磁弁の各ポートの説明をしました。各ポートの役割を以下にまとめます。

Pポートエアを供給するポート
ABポート2次側へエアを通すポート
Rポートエアを排気するポート
PEポートパイロットエアを排気するポート

ポートにはそれぞれ役割があり、それに伴って継手やサイレンサなど組み付ける機器も異なりますし、塞いではいけないなど注意事項もあります。

エア機器を扱うには最低限の知識となりますので、各ポートの意味を理解して間違えのないよう使用するようにしましょう。