電磁弁(ソレノイドバルブ)の3ポートと5ポートの違いとは?
エアシリンダの駆動やエアオペレイトバルブの開閉に必要なエアの切替には電磁弁(ソレノイドバルブ)が使用されます。
各メーカーごとの機種としては、SMCではSYシリーズ、CKDでは4Gシリーズ、コガネイではFシリーズなどが該当します。
しかし、これら電磁弁には3ポートや5ポート(もしくは4ポート)と種類があり、それぞれどのように使い分ければ良いのでしょうか?
本記事では、電磁弁の3ポートと5ポートの違いと使い分けについて解説していきます。
3ポートと5ポート電磁弁の流路の違い
3ポートと5ポートは、その名の通りポートの数が違います。そのため当然ですが流路にも違いがあります。
ここでは3ポートと5ポートの流路の違いを電磁弁通電時、非通電時の切り替わりも含めて解説します。
3ポート電磁弁の流路
3ポート電磁弁はPポート、Aポート、Rポートの3つのポートで構成されています。
また、3ポートの場合、NC(ノーマルクローズ)とNO(ノーマルオープン)の2タイプが存在します。
NCの場合、通電した時に元圧からPポートに給気したエアがAポートへ通ります。
通電を切るとPポートへ給気したエアは遮断され、AポートからRポートへエアが排気されます。
NOの場合はこの逆で、通電OFFの時にPポートへ給気したエアがAポートへ通り、通電するとAポートからRポートへ排気されます。
5ポート電磁弁の流路
5ポート電磁弁はPポート、Aポート、Bポート、EA(R1ポート)、EBポート(R2ポート)の5つのポートで構成されています。
通電をONにすると、給気エアがPポートからAポートへ通り、BポートのエアがEBポートへ排気される流路に切替ります。
通電OFF時、元圧から給気したエアがPポートからBポートへ通り、AポートのエアがEAポートへ排気されます。
3ポートと5ポート電磁弁の使い分け
3ポートと5ポート電磁弁では、もちろんですが使用用途が異なります。それぞれの使用用途例を解説します。
3ポート電磁弁の使用用途
3ポート電磁弁は単動式のシリンダの駆動、単動式のエアオペレイトバルブの開閉に使用されます。
単動シリンダを例に動作する仕組みを説明します。
通電ONにするとAポートからエアがシリンダに供給されシリンダが駆動します。
通電OFFにするとシリンダ内のエアがEポートから排気され、シリンダはバネの力で戻ります。
単動のエアオペバルブでも上記と同様の動きとなります。また、エアブロー用途で2ポート弁として使用される場合もあるので認識しておきましょう。
5ポート電磁弁の使用用途
5ポート電磁弁は複動式のシリンダの駆動、複動式のエアオペバルブの開閉用途に使用されます。
複動シリンダを例に動作する仕組みを説明します。
通電ONすると、Aポートからシリンダのヘッド側にエアが供給され、ロッド側のエアがBポートを通りEBポートから排気されることで、シリンダロッドが押し出されます。
通電OFFすると、Bポートからシリンダのロッド側にエアが供給され、ヘッド側のエアがAポートを通りEAポートから排気されることで、シリンダロッドが引き込みます。
もちろん、電磁弁のABポートとシリンダとの配管を逆にすれば動きも逆になります。また複動式のエアオペバルブでも同様の動きとなります。
まとめ
このように3ポートと5ポート電磁弁は、主にアクチュエータに単動を使うか複動を使うかで選択が決まります。
たまにエアブローで使用する場合もありますが、その時は3ポート電磁弁を選べば用途はまかなえます。
3ポートと5ポート電磁弁の使い分けは、空気圧機器を取り扱う上では初歩のステップですので、しっかりと動作パターンをマスターしておきましょう。