SMCとCKDの違いとは?エア機器業界のシェアを競う2社を徹底検証

2023年11月30日

エア機器を選定する際、SMC、CKDなど複数のメーカーが存在しますが、一体どこのメーカーを選べば良いのか迷うところです。

パッと見ても似たり寄ったりの製品に見えますし、イマイチ違いが見えてきません。

本記事では国内エア機器業界のシェア1、2を競うSMCとCKDの違いについて徹底検証します。

シェアは国内、海外ともにSMCがトップ

エア機器のシェアは長年SMCが圧倒しています。国内では、大体6〜7割がSMC、2割がCKD、その他がコガネイ、TAIYO、ピスコなどといった勢力図です。

世界シェアに目を向けてみてもSMCはFESTOを抑えてトップ。国内シェア2位のCKDに大きな差をつけています。

このシェアの高さからSMCを指定するメーカーも多く、今の勢力図が入れ替わることはしばらくないでしょう。

汎用的なエア機器のバリエーションはSMCが勝利

エアシリンダ、電磁弁など汎用的なエア機器に限定したバリエーションはSMCの方が豊富に揃っています。

例えばエアシリンダ関係では、ミニフリーマウントシリンダCUJシリーズやロータリーチャックなどはCKDには存在しません。

細かいものでも急速排気弁付スピコンや異径継手の種類などSMCにあってCKDにないものが散見されます。

もちろん逆パターンの製品もありますが、トータルで見た時に、汎用的なエア機器のバリエーションはSMCに分があります。

製品群の幅広さはCKDが勝利

両者ともエア機器以外の製品も扱っていますが、その幅広さはCKDが勝っています。

CKDにはDDモーターやメカインデックスなど回転系のアクチュエータが充実しておりシェアも高い。

電動アクチュエータのバリエーション拡充の他、最近ではスカラロボットや画像処理ソフトも発売しています。

エア機器関連でもファインバッファFBU2、パワフルアームPAW、窒素発生装置NSなど特殊分野ではSMCも追従できていません。

エア機器以外も含めたトータルの提案はCKDの方が得意としています。

耐久性はCKD製品に軍配

耐久性ではCKDの方が気を使っている製品が多い印象です。

5ポート電磁弁ではSMCのSYシリーズが7000万回の公称寿命に対し、CKDの4Gシリーズは1億回を謳っています。

エアシリンダ関係でもCKDは高耐久のHPシリーズを発売し、従来比2倍以上の耐久性を実現しています。

他エアフィルタでもCKDはエレメント二重構造で耐久性をアピールするなど、耐久性を気にする場面ではCKDに軍配が上がります。

選定ツールはSMCが良し。CADデータは両者ともに充実

選びやすさとしてはSMCの方がホームページの選定ツールが充実しており、とても使いやすいです。

エアシリンダや電磁弁はもちろん、アフタクーラー、ドライヤ、エアタンク、チャック、真空パッドなど各機器の選定ツールが揃っています。

仮にCKDの製品を使う際でも、SMCの類似品の選定ツールを利用して選んだ方が良いくらいの差があります。

CADデータは両者とも充実しており大差はないですが、選定ツールの差で選びやすさはSMCの勝利です。

コスト・納期は営業次第?

気になるコストですが、通常はSMCが安い印象ですが、営業担当によってはCKDも遜色ないレベルか下回ってくれることもあります。

両社の利益率を見るとSMCの方が断然良いので、根本的なコスト競争力はSMCが勝っていてCKDは無理をしているのかもしれません。

納期はどちらも通常はそこまで長納期にはなりませんが、悪い時は悪いという感じです。悪い時のフォローは営業担当次第でしょうか。

まとめ

SMCはエア機器のトップシェアを誇るだけありバリエーションや選定ツールなど充実しており選びやすい体制を整えています。

対してCKDは特殊な製品が必要な場合や耐久性を気にする場面では力を発揮します。コストも競わせたらSMCに引けをとりません。

どちらも良し悪しは持っていますが、総合力ではSMC。でも最後はやはり営業担当の対応次第です。