エアシリンダのロッドは正面から見ると円形をしているため、動作させたり外力が加わると回転してしまいます。
回転させたくない箇所へ使う時は、シリンダの回り止め形を使用するか、ツインロッド形やガイド付シリンダを使用する必要があります。
本記事では、シリンダのロッド回転を防止するための方法を紹介します。
回り止め形のエアシリンダを使用する
エアシリンダには回り止め形オプションがあるタイプが存在します。例えば、SMCのCQ2KシリーズやCKDのSSD2-Mシリーズが回り止め形に該当します。
標準のシリンダはロッドが円形になっているので回ってしまいますが、回り止め形はロッドが六角になっていたり二面幅が切られていたりしてるので回りません。
しかし、ロッドに回転トルクがかかると変形し故障の原因になるため、あまり大きな回転トルクはかけられないので注意してください。
ツインロッド形のエアシリンダを使用する
ツインロッド形のシリンダはロッドが2本出ているため回転しません。SMCのCXSシリーズや、CKDのSTR2シリーズが該当します。
ツインロッド形はガイドの役割も兼ねているので、回り止め形に対して大きな回転トルクをかけることが可能です。
また、シリンダが2本内蔵されているので、同じボア径でも推力は2倍。薄型コンパクトで高い推力を出せるメリットもあります。
ガイド付のエアシリンダを使用する
ガイド付シリンダは、ロッドの両サイドにガイドを設けた形状をしており、外力による回転トルクがかかっても回りません。
SMCのMGPシリーズやCKDのSTGシリーズがガイド付シリンダに該当します。
ツインロッド形よりもガイド機能が強く、より大きな回転トルクをかけることが可能となっています。
ただしその反面、回り止め形やツインロッド形に比べてコストは割高に設定されています。
まとめ
このようにシリンダロッドの回転は、回り止め形やガイド付タイプのバリエーションを選ぶことによって回らないようにすることができます。
もちろん、標準シリンダを使用して別機構にガイドを設けて回転を防ぐことも可能です。
回転トルクのかかり方や装置レイアウトに合ったシリンダ形状などを加味して、どの方法にするか検討してみてください。